児童虐待、DV環境から、安全安心の生活を。 | 一般社団法人メッター

第一期メッターラボ終了のレポート

 

 メッターラボは入所者の自立を以て2013年5月31日に第一期を終了致しました。
 以下は第一期メッターラボ入居者(30歳 女性)のレポートです。

私は幼少期より両親から虐待を受けてきました。
精神的な物で、目に見えない事もあり、私自身、23歳になるまで気付きませんでした。
仕事を通して児童虐待問題に取り組んでいる時に、自分にもあてはまる事が多くあり様々な資料を読んで調べて、自分も虐待を受けていたという事実に気付きました。 毎日のように浴びせられる暴言、過干渉もしくは存在否定。持ち帰った仕事をする事、自室で過ごす事も許されない環境の中、自分の気持ちを押し殺して過していました。

気付いた時、すでに心身共にボロボロで、両親の敷いたレールから外れました。
そんな私に、両親からは更なる暴言が吐かれ、休む事すら出来ませんでした。 家族から離れた方が良いと思い、家を出て独り暮らしを始めたものの、約半年で連れ戻されました。 その後、何度も出ようと資金を貯めていましたが、理不尽な理由により取られ、渡さなければ暴言や存在否定がひどくなる。このやり取りを繰り返していると、疲れ果て、抵抗する気力も、逃げ出す気力も無くなりました。助けてもらえる場所はないかと行政に相談もしましたが、「成人しているから」と取り合ってもらえず、精神科への通院を勧められただけ。すでに精神科への通院はしていた為、カウンセリングを受けられる病院を探し、転院する事しか出来ませんでした。
そんな状態の中、インターネットコミュニティツールを通して今城さん(※メッター理事長)と出会いました。
どんな時でも相談に乗ってくださり、その度に「心も身体も休ませる場所が必要。必ず家を出させてあげるから」と言ってくださいました。
私の周囲には幸いにも状況を理解し、話を聞いて下さる方はいましたが、私が成人している事もあり、どの様に手を差し伸べたらよいか、わからなかったのだと思います。今城さんが準備してくださったラボという避難場所は、金銭面で家を出られなくなっていた私にとって、とても助かる場所でした。

昨年(※2012年)5月、ラボに入居させて頂いたのですが、今城さんから「本当の意味で一人になってからが大変で、1つの戦い」と言われました。
最初はわからなかったのですが、フラッシュバックが酷くなり、過呼吸、感情のコントロールが出来ず、自傷行為も悪化しました。今まで受けてきた虐待が無くなった為の反動の様な物だと思います。
実家にいた時はこの様な症状も両親には言わず、一人で耐えていました。ラボへ来てからは、どんな時間でも今城さんが相談に乗ってくださり、理事の方が様子を見に来てくださったりしていたにも関わらず、両親の影や幻聴に怯え、自分は迷惑を掛けるばかりだから。存在していてはならないと追い込み、自分は一人だと思い込んでしまった結果、自殺を図り、精神科へ入院する事となりました。
ラボに入居させて頂いてから、家族と連絡を取らない様にしていた事と、両親に知られていい状況でも無かった為、入院の手続きも今城さん達にして頂きました。

殺未遂という形での入院でしたが、ラボへ入居する前から必要だったであろう治療を受けることが出来ました。
入院中に家族がラボを訪ねてきたそうですが、今城さんが全て対応してくださり、また、私が自立するにはどうしたら良いかも考えてくださいました。
主治医の勧めもあり、まず形から分離しようとなり、戸籍を抜け、独立戸籍を取得しました。まだ社会復帰が出来ない状態の為、生活保護申請の為、弁護士の方を紹介してくださり、手続き等、一緒にして頂きました。
おかげ様で、現在、無事に生活保護を受給し、ラボを出て生活しています。

ラボに入る前は自分の気持ちを隠し、無理に表情を作っていたので、泣く事すら出来なくなり、自分がどんな気持ちなのかもわからなくなっていました。
今も未だ辛いと思うし、出来なくなった事も多く、嫌になったり、以前の様に自分の気持ちを押し殺したら社会復帰をはじめ、出来なくなった事をやれるのでは、と考える事もあります。
でも、自分を騙しながら生きる事、以前の状態に戻るのは良くない、休む事も必要だと教えて頂きました。自分の状態がまだ理解出来ない事も多いですが、この1年で良くなったと言って頂く事が増えました。
何より、自分は一人じゃなくたくさんの方に見守って頂き、手を差し伸べてくださる方がいる、という事に気付ける様になった事が、私にとって1つの変化だと思います。

家族からの分離は虐待を受けている者にとっては必要です。
メッターの皆様のおかげで運良く分離出来ましたが、遅すぎたという思いもあります。虐待が成人する前にわかり、もっと早く脱け出せていたら…あるいは、手を差し伸べてくださった皆様にもっと早く出会えていたら、今とは違う形になり、こんなに苦しまなくてすんだかもしれません。
でも、過去を変える事は出来ません。
今の状態だからこそ、あやふやだった目標が目指すものになりました。
私の様に実際に援助して頂ける事は本当に運が良かったんだと思います。誰もが助けて貰える訳ではないので。
今城さんやメッターの皆様と出会わなければ、あの場所から脱け出せなかったでしょう。
児童虐待を減らし失くしていく事も大切ですが、成人虐待への支援・対応も必要です。メッターの活動が広がり、行政が動くきっかけになれば、と思います。
そして虐待を受けている方、受けた方のケアも必要です。
私にはまだ何かをする力は無いですが、自分の経験を通して環境や心のケアが出来る様になれたらと思います。

辛い思いをしている方が一人でも少なくなる様に。